住民の健康 環境を守ろう!
─建設間近の産業廃棄物処理施設─

厳しい監視の目を!
 国道16号線から近い南部工業団地内の川崎重工の撤退跡地に建設予定の産業廃棄物処理施設に住民の不安が募っている。建設地から道路一つ隔て人家や畠が点在し、1キロ圏内には二塚小学校や電建、グリーンパークなどの大型住宅地が広がっており、2キロ圏内には市の清掃工場もある。「市の清掃工場と産廃施設に挟まれるなんて心配だ。何とかできないか」などの声が市民ネットにも寄せられている。

 この産廃処理施設は工業団地内にすでにある二つの施設の10倍程のかなり大型(92、6/トン)で、木くず、廃プラスチック、動物性ざんさ、感染性廃棄物などあらゆるゴミの焼却破砕を365日行う。現在、業者(有限会社柏廃材処理センター)は県へ建設計画、工事仕様書、生活環境影響調査などを提出し、市民の縦覧、県の審査を経て来年5月頃には操業を始める模様。地元の二塚自治会を始め周辺自治会などが建設反対や不安を訴えているが、業者が法律や県の指導を遵守している限り建設阻止は難しいというのが管轄する県の見解である。

ダイオキシン垂れ流した業者
 この業者は現在、柏市のニッカウヰスキー工場の隣りに小型の産業廃棄物処理施設を所有しており、数年前にはダイオキシンを垂れ流していると市民団体から追及を受け数回にわたり県の指導や立ち入り検査を受けていたことが分かった。厳しく指導や監視をしなければ適正に運転できない業者の体質が明らかにみえる。
 産業廃棄物処理施設の恐さはあらゆるゴミを焼却するにも拘わらず、申請書類が許可され稼働し始めると殆ど野放し状態で日常的に有害物質が垂れ流しになっても分からないことだ。煙突から出るダイオキシン類、二酸化窒素や塩化水素などの数値規制はあるが、年に1、2回測定値を県へ報告するだけで済む。悪質な業者ともなると、ダイオキシンの規制値にあわせるため、測定日にはゴミを燃やさず空だきしたり、有害物質の出にくいゴミを選択したりして操作するという。

市も積極的監視体制を!
 すでに建設準備が進んでいる中で、どう住民の健康被害や環境汚染を防止していけるのか私は業者の書類を専門家とともに検討してみた。環境に影響が無いという業者の予測値を鵜呑みにするわけにはいかない。これは施設から出す有害物質が規制値以下だという前提のもとでの話である。いくら最新式の焼却炉を設置していても、ゴミ質や焼却の仕方次第で大量の有害物質をまき散らす恐れはある。
 そこで私は12月議会で[稼働後は施設内にいつでも市や市民等の第3者が立ち入りでき、ゴミの保管状態やダイオキシンの測定状況を把握できる監視体制を業者と県に求める必要がある]と市の積極対応を求めた。しかし、市は[県が24時間対応するので問題ない]とあくまで県の問題と逃げ腰の姿勢しか示さず納得できない。問題が起こったときに立ち入りするだけでなく、日常的監視体制が重要なのである。同じ業者の柏の施設へは柏市と沼南町の立ち入りを業者に認めさせているのだが。
 ダイオキシン問題については施設のダイオキシン排出の実態を把握する方法として施設稼働前に周辺の黒松の松葉のダイオキシン濃度を測定し、1年後に再度黒松を測定することにより周辺への汚染度が分かるので有効といわれている。行政と市民が一体となって監視し実態を把握し改善を求めるという繰り返しが必要だ。そのためにも黒松でのダイオキシン濃度測定手法を業者に求める事も必要と考える

もういらない! 産廃処理施設
 今回の産廃施設建設は工業団地内であったため、地元との事前協議すら必要なく法律さえクリアーすれば何の問題もなく設置できる状況であった。南部工業団地内には小型とはいえ、すでに二つの産廃施設が稼働している。  市が積極的に設置に対して厳しい規制をかけない限り、今後も企業撤退跡地に簡単に産廃施設が来る可能性は高い。埼玉県では工業団地から産廃施設は閉め出しているという。
おち 邦子

産廃処理施設の監視の徹底を
角田 敬子(三ツ堀在住)

 近くに清掃工場があることも意識せずに野田に引っ越してきた。その後、破砕施設建設問題に直面しそれに取り組む中、清掃工場から有害物質や猛毒ダイオキシンが排出されている事を知った。清掃工場へ度々足を運び、担当課長や現場の職員に質問し、日報を見せてもらっている。現場はダイオキシン排出基準が厳しくなり熟練した技術者が最良の燃焼に努力している。危険な施設をかかえる地元とは日々の運転状況の情報の共有が必要だ。
 ところが、今回建設計画が進んでいる産業廃棄物処理施設は、清掃工場とは比べものにならない位大変な施設だと思う。この施設は、清掃工場では本来分別して燃さないごみとなっている廃プラスチック・廃ゴム・廃アルカリ・金属くず更に感染性廃棄物を混合して燃す施設である。施設の建設計画を知った時には何とか阻止しなければと焦った。しかし、建設場所は工業団地内ということで事前協議対象外の地域である。業者にとっては穴場というような所であった。
 有限会社柏廃材処理センターは、柏市で、すでに小型の産業廃棄物処理施設を運営しており、数年前にはダイオキシンの高濃度排出で、周辺地域を汚染し、県から再三指導を受けている。柏市は、松葉のダイオキシン測定結果を重視し市民団体と共に業者に改善を求めた県の産業廃棄物管理班の立入り報告書によると、分別の徹底マニュアルの作成・維持管理日誌の作成等細々とチェック項目をもうけ、月一回柏市と沼南町が立入り調査出来るよう約束を交わしている。民間の業者と一般市民や市民団体が交渉するのは困難である。
 建設計画の話を聞き、生活クラブ生協で、すでに建設予定地周辺の松葉のダイオキシン測定を行なった。以後は業者に継続して測定を行なって頂き環境悪化のない事を実際のデータで示して貰いたい。申請のマニュアル通りに、燃焼管理が行なわれているかどうか、市が、月に一回専門の担当者と共に立入り、直接チェックを行なうべきだと思う。その上で市民が業者の許可の元、いつでも施設内を見学できるようにして欲しい。申請さえ通れば後は知らないではすまされない。  周辺の環境悪化を防止する為に、市長ご自身がこの地に住んでいる住民の立場に立って市民の健康を守る姿勢を貫いて欲しい。柏市で行なっている事なのだから野田市に出来ないはずはないと思う。

市税投入して次々企業救済
「形としてそうなっている」と、認めた市長

 根本市政13年間の開発行政の失敗を取り繕い、あれこれ口実をつけて市民にツケを払わせている財政運営が明らかになってきた。

・頓挫した開発に4億円投入で東武鉄道救済
 船形地区の湿地帯を東武鉄道が主体になって、工業団地にする計画があったが、採算が合わないと手を引いた。市の子会社の土地開発公社が税金4億円投入して東武鉄道所有の土地を買い取った。関係者に野口義雄市議会議員もいる。

・広大な面積の第2の福祉ゾーン  5千8百万円
 船形工業団地開発区域周辺の東武鉄道が所有していた土地3万8千uを買い取る。
 東武鉄道は本来開発区域にしたかったが、あまりにも飛び飛びのいびつな形だったため県が許可せずお荷物になっていたものだった。土地を買い取る口実にあわせて、福祉団体に声をかけ第2の福祉ゾーンと突然命名した。
 最初に土地購入ありきだったのだ。たとえ福祉施設建設予定があるにしてもこんなに広い面積を必要とするはずはなく、一部を買い取るだけですんだはずだ。もっといえば、東武から貰い受けてもよかったのだ。
 企業は不要の土地を持てば持つほど固定資産税がかかり、早く手放したい事情はあるのだから。

・開発のために急ぎ、七光台駅の東西通路  3億円
 ゼネコン撤退で頓挫した七光台駅前開発に2億円税金を融通し特定業者と手を結んで一部住宅販売、その為には駅の整備が必要と急遽東西を結ぶ通路事業に3億円近く市が負担。東口の設置はまったく必要ない。当てにしていた合併特例債は認められず全て起債(借金)。

・清水公園駅地下通路事業  3億円
 清水公園駅東の宅地開発は東武鉄道主体で行っているが、そのため東口を開ける必要があると東西地下通路を市が3億円負担して設置予定。乗降客が少ないため、国の補助金も得られなかったほどで優先すべき事業ではない。

・築40年の川崎重工の社宅と土地を高値で買い取り  8億円
 川崎重工が撤退したため、土地と老朽化した築40年の社宅を市営住宅にすると買い取った。土地代は坪20万と高値で与党の議員からも「なにかあるのでは?」と疑惑がささやかれていた。その上、解体に多額の費用がかかる4階建ての2棟を2億3千万円で買い取った。配管など老朽化したものを市営住宅にして先行きどうなるのか不安だ。

・大日本土木が放り出したい土地購入始める  1億7千万円
 1面で述べたように江川地区の湿地帯を宅地開発するため大日本土木が先買いしていた土地(34ha)の後始末を市が引き受けようとするものだ。今回の買い取りは2200u110万円だが、全て買い取るならば、1億7千万円かかる。
(おち 邦子)

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