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No. 2010年10月 3面


市民ネットワーク 9月議会レポート

小室 みえこ
新清掃工場建設について

 新清掃工場の建設については、市長の「工業専用地域なので合意がなくても建設可能」との一方的な発言から、地元自治会は候補地選定の白紙撤回が前提でないと協議に応じることはできないと回答したまま、空白の時間が続いています。

小室 中里上自治会との話し合いを持つことが出来ない状態が続いています。特に用地選定については、「なぜあのように狭い場所に清掃工場を建てようとするのか? 100メートル以内に住宅がないこと、学校・保育所などが敷地境界からおおむね100メートル以上離れていることの100メートルの根拠はなにか?」これまでの空白の時間は、住民の皆さんにとって非常に厳しい状況だったと思います。これまで、どのような話し合いの申し入れをしてきたのでしょうか。また、今後の協議に向けてどのように働きかけるのでしょうか?

市長 話し合いの申し入れはやっています。自治会から一つ目、「工業団地のため合意が無くても建設は可能だという観念を捨て真摯な気持ちで協議すること」については、法律的には可能ではあるが、地元の人と協議はしていこうとしています。二つ目の「白紙撤回もありうることを前提に他に候補地が無いかも検討していくこと」についても他に候補地がないか、話の中から考えていこうと思います。三つ目の「メリットが無いと考える」については、入口に入れない状態ではあるが、地元に還元する施設を考えて参ります。

小室 トップダウン式行政にNOを言い市民の声を活かしていくことが大事だと考えます。清掃工場のような迷惑施設であってもトップダウン式の方法で進められる「最大迷惑施設」から、行政が市民参加の姿勢を取り入れ時間と手間をかけながら、「最小迷惑施設」にしていくことはできると思います。清掃行政は、これからも続く大きな課題です。市民参加・市民協働によるごみ問題に取り組む必要があると考えますが、見解をお聞きします。

市長 市民参加については、平成7年にごみ収集を換えるにあたって、ごみ推進委員、その代表者に会議をもっていただきました。住民参加で場所の選定をしていくとしても、総論賛成、各論反対で候補が絞りきれないと思っております。これまでも地元の皆さんのご理解を頂いているという過程で市民の皆さんにも協力していただいているとPRしていきます。

小室 システム化された市民の声ではなく、サンダル履きで参加し意見が言える機会を重ねることによって市民の声をまず聞くことが重要で、市長の言う市民参加と私が考える市民参加は全くと言っていいほど、違います。継続的に意見を言えて、疑問については応えてもらう、そういう場を作ってもらいたいという市民参加です。話し合いの機会を持つために、白紙撤回はありえますか?

市長 (白紙撤回も)ありうるという前提で協議に入れれば、候補地についても話して行こうと考えます。

小室 野田市全体の課題であるわけですから、住民の皆さんの声をしっかり聞き、(選定の基準になった)八項目の説明もしっかりしていただきたいと思います。

小室みえこのコメント
 市長の答弁は、地元自治会の申し入れを自分の都合のいいように解釈しています。このような姿勢は不信感を増すばかりです。清掃工場の建設は、自治体にとって大きな課題です。期限が迫る中、拙速な決断が一部の住民の負担にならないようにすべきです。


前号の虐待記事について

 教職員が児童虐待の研修をし、発見のアンテナをもってほしいとNo.97号に書きました。その内容について「現場の先生方にこれ以上の負担は気の毒だ」という声も頂きました。その声を受けて、二人のケースをお伝えします。

事例@中1の女の子は、父親から虐待を受け続け「いつ死のうか」を考える日々を過ごしていた。それも虐待を疑われないよう自殺ではなく、事故で死ぬことを考えていた。ある日、一人の先生が「お前も大変だなあ!」と声を掛けてくれ、時折話を聞いてくれるようになった。自分を心配してくれる先生がいる。そのことが、彼女を支え続けた。

事例A三人姉妹の長女だった彼女の両親は、時には包丁を持ち出すほど激しい喧嘩を繰り返していた。喧嘩が始まると彼女は下の妹たちを連れて近所の駄菓子屋さんに避難した。その駄菓子屋さんのご主人は「喧嘩が絶えない環境で、姉妹は行くところもなく街を徘徊している」という噂を聞き、ある時店主は、いつものように遊びに来ている姉妹の手を引いて、喧嘩の最中に乗り込んだ。「いい加減にしろ!お前たちが喧嘩をしている間この子たちは街をさまよっているのを知らないのか。これ以上、喧嘩をするなら、この子たちは俺が引き取る」とタンカを切った。その後も、喧嘩は止まらなかったが、姉妹は部屋で喧嘩が終わるのを静観するようになった。女の子は、「いざとなれば、あのおじさんのところへ行ける。おじさんが私たちを護ってくれる」と心の中のお守りにしていた。

小室みえこのコメント
 被虐待児は、厳しい現実の中で自分のことを気にかけ、心配してくれる人がいることで力を得ることがあります。気づかない、見て見ぬふりの大人からは二重の虐待を受けていることになるのです。
 だからといって、全てを先生が背負うことなく、学校全体、地域の力も必要だと虐待防止などの活動を通して、多くの子どもたちに会ってきて実感しています。




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