市民ネットワーク 12月議会レポート

中井 洋子
「いじめ」対策 風通しの良い学校教育を!
 子どもたちのいじめに対する無言の抗議ともいえる自殺が相次いでいる。文部科学省は手紙を配布したり、「いじめへの取り組み総点検」を指示したりしているが、対症療法的なものばかりだ。問題の根本を見直す姿勢が、今必要だ。

中井 市のいじめに対する取り組みの内容はどのようなものですか。
学校教育部長 アンケートと個別面談を行なった。何かあったら担任が守るから相談するよう話し、いじめを確認後は隠すことなく話すようにしたい。
中井 今までは、そのように取り組まれていなかったという事でしょうか? 事実、校長による隠蔽体質は過去にありました。
学校教育部長 そのような事実があったとしたら改善していく。潜在的いじめを教員が感受性をもって掴むことに欠けていた所があった。

 福岡で起きた自殺は、担任による言葉のいじめが発端だった。市もこれまで教員による暴力事件や、人権意識に欠けた言葉の問題などが指摘されてきたが、学校という閉ざされた環境で陰湿ないじめが育ちやすい。成果主義に基づく学力競争のなかで、子どもだけでなく教員もストレスを感じている。それがいじめに繋がっているのは明らかだ。

中井 教員の意識の問題も、いじめに大きく影響する場合があります。
学校教育部長 いじめがあったら直ぐに報告をするよう各学校に言っている。これまで教員によるいじめや暴力があったとしても、今後は変えていく。また教員の話し方もこれまで以上に変えていく必要性は感じている。

 高知県の「土佐の教育改革」では、子ども・教員・保護者の三者が、子どもの人権や意見を尊重した意見交換会の中で、生き生きとした信頼関係をつくっている。このような学校環境からは陰湿ないじめは育ちにくく、問題の芽も見えやすい。

中井 いじめがあったら言いに来なさいではなく、普段から子どもの意見を聞く姿勢、意見が言える環境が大切なのではないでしょうか、学校の中で子どもの権利条約の意見表明権が生かされているのでしょうか。
教育長 二学期制の実施によって、授業日数を増やすという意味で考えられる。
中井 我孫子市のいじめアンケート調査では、約半数がいじめを受けたというかなり実態に近い数字でしたが、野田市では?
教育長 小学校で680件・全体の8%、中学校で157件・3.9%、合わせて837件で平均6.7%でした

 野田市の結果からは、本音が言えない子どもたちの姿が見える。いじめ問題の原因には社会環境が大きく影響しているが、まずは子どもの人権を尊重し、開かれた学校教育が、いじめ問題の解決に繋がるのではないか。


江川地区の環境保全
 豊かな谷津田や絶滅危惧種が多数生息している江川地区だが、以前市は大日本土木と宅地開発を進めようとしていた。その後計画を断念した市はここを環境保全地域とし、今回地権者に「貴重な野生動植物の保護のための樹林地の保全に関する条例」によって、固定資産税と樹木管理の助成を行い、土地の譲渡については市に届けるよう説明会を行った。しかし市の方針に対して「経済的価値のない樹木は植え替えたい」、「自分の土地に利用制限がかかるので反対だ」という市の突然の方向転換に戸惑いを隠せない意見もあった。
 この計画は市民の協力がなければ実行性がない。2千万円をかけて作成した基本計画書を市は公表していないが、広く市民に情報を公表して、理解と協力を仰ぐ姿勢が重要だ。


議会中の理事の言動に市民の抗議相次ぐ!
 みずきの街の巨大物流センター建設問題は今議会最大の争点となり、市民ネットを含め5人の議員が一般質問した。12月23日にも多くの市民が傍聴に訪れ、ほぼ満席となっていた。そんな緊迫した雰囲気の中、行政側最前列の安枝理事は岡田議員の質問中に、薄ら笑いを浮かべたり、やたらと首を傾げてみたり、果ては小馬鹿にしたような発言が!
 傍聴席の10人以上が抗議や怒りの声を上げ、理事は頭を下げて謝るような素振りをしたという。議会事務局には謝罪を求める市民が来たり、抗議の電話が入ったが、理事は「誤解があったようなので頭を下げたが、何も言ってはいない。」と釈明した。
 国から出向している立場の理事だが、市民を愚弄したと誤解されるような態度をとって、野田市議会の信用と品位を汚すようなことは、断じて許されない。
(中井洋子)


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