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No. 2011年7月 6面






「脱原発へ、舵を切るべきとき」
法政大学教授(生命科学部環境応用化学科) 左巻健男


 3月11日の東日本大震災から4ヶ月余りが経過しました。しかし7月16日(土)現在、福島原発では、まだ予断を許さぬ状況が続いています。原子炉が「冷温停止状態」に至っていないのです。これからまだ何ヶ月も、原子炉を冷やし続けなければなりません。これまでの収束作業で、100ミリシーベルトを超える放射線を浴びた東電と協力企業の社員は101人に上っています。100ミリシーベルトを浴びると数年から数十年後にがんや白血病になる確率が0.5%程度増加します。
 7月17日(日)の東京新聞は、高濃度の放射性セシウムを含む稲わらを与えられた福島県浅川町の肉牛42頭が、首都圏のスーパーや小売店で販売されたと報じています。近隣では松戸市内の精肉店で67kgが販売され、すでに残品は無いということです。放射性セシウムは人体に入ると全身に行き渡りますが、濃度は生殖器や筋肉で高くなります。体内に摂取された放射性セシウムの約1割はすみやかに尿などから排泄されるのですが半減期が長い(セシウム134で2.2年・セシウム137で30年ことが問題です。体内にとどまった放射性セシウムはβ線とγ線を放出し、細胞中のDNAを傷付けます。これからも放射性のセシウムで汚染された食品のニュースが、私たちの耳に飛び込んでくることでしょう。
 原発が稼働していれば、事故が起こらなくとも放射性の廃棄物が日々蓄積していきます。
 1つの原発から出る放射性廃棄物(死の灰)は、1年間に約30トンにもなります。日々たまりゆく放射性廃棄物を安全に処分する方法を、今のところ人類は持ち合わせていません。
 地震の頻発するこの日本で、原発を稼働させることの危険性を、今こそ私たちは真剣に考えなければなりません。
(清水在住)
『放射能汚染から子どもたちを守る会』が主催して、学習会「放射能や放射線って何だろう? 体内にとりこむとどうなるの?」が開かれました。
(講師 左巻健男さん)


子どもたちの未来が穏やかであってほしいと強く思った。
放射能の数値が低くても、確率的には危険であることから、除染対策はやっていく必要があると思った。

科学的根拠のないことに惑わされないようにしたい。
分かりやすいお話で、情報を判断するのに役立った。





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