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No. 2011年2月 2面


市民ネットワーク 12月議会レポート

小室 みえこ
市民後見人への理解と支援を!

 2000年に始まった介護保険と同年、「成年後見制度」も始まりました。認知症高齢者や知的・精神障がい者など自分で十分な判断をすることが難しい方の生活を支援することによって本人の財産と権利を法律面で守っていく制度です。高齢化が進み、高齢者への様々な被害が報じられるなか、具体的な対策の一つとして「市民後見人」の活動が期待されています。

小室 「成年後見制度」をリーフレットやポスター等によって周知の努力がされていると思います。しかし、野田市の高齢化率21.26%、市内の独居老人世帯数(施設等に入所者含む)は6000世帯に迫る数であり、1400を超える方が一人で暮らしているなど、本当に必要な情報が必要なところに届いているでしょうか。民生委員・地域包括センターの職員・施設の職員が接する高齢者の中には、成年後見制度を利用されたほうがよいと思われる方が少なくないようです。その周知は十分と言えるのか、ニーズに応えられているでしょうか。

市長 成年後見制度についての重要性は考え方としては一致しています。必要だと言いながら、急ぐことへの危惧があります。本人が自分は認知症など出ていないと思っているケースが多いため、財産は自分で管理したいと思うことから難しいし、高齢者の生活を壊すことのないよう慎重な対応が必要だと考えるからです。

小室 厚生労働省の公表による2009年の高齢者への虐待全国通報件数は15691件で、人権擁護の視点からも対策が必要です。被後見人の増加とその高額な費用負担から、専門職だけで対応することは困難であると言われています。そこで第三者後見人としての「市民後見人」の活躍が期待されるわけです。市民後見人養成講座を受講された方が、地域への貢献を志し、市民ベースの活動が始まろうとしています。市民後見人についてどのような見解を持っていますか。

市長 公的資格を持ちながら弁護士であっても財産を使い込む不適切な事例もあり、養成講座を受けた人の中に、万が一問題があった場合、誰が責任をとるのかということになります。市民後見人の位置づけ・バックアップ体制は不十分だと言うことです。安心して任せられる制度の中で使っていけるのであればやぶさかではないということです。

小室 公の衣を羽おることは大変重い責任がのしかかってきます。東葛市民後見人の会(特定非営利活動法人認証申請中)の見解では市民後見人は、介護契約や施設入所契約など本人の身上の世話や療養看護に関する分野を得意とし、地域の中で頼れる活動をめざしています。財産管理については別法人が望ましいとしています。市民後見人への信頼は大きな課題です。だからこそ、公的関与、連携が鍵となるのではないでしょうか。品川区の社会福祉協議会が運営している「品川成年後見センター」は、品川区高齢福祉課と連携しています。また、市民後見人の後見監督人としてバックアップ体制の仕組みを構築しています。社会福祉協議会は福祉の分野での実績と信頼を得ているため、市民後見人を含め行政との協働によって潜在化しているニーズに福祉の視点から応えていくことが可能だと思います。とにかく、周知についても時間がかかるのが現状です。

(小室みえこのコメント)
 市民後見人について実質的な養成と並行して市民の皆さんに、その存在と目的を知らせていくことは、様々なトラブルの予防効果も期待できるのではないでしょうか。市民後見人の活動は高齢者も障がいのある人も、地域の中で安心して暮らせるまちづくりの一つの手立てとなると考えます。
 急速に進む高齢化、少子化、核家族化、高齢者の孤立化など厳しい現実を踏まえて、私たちが生活する地域に「市民が市民を支える後見制度」を定着させ、暮らしやすい地域コミュニティをめざしたいと思います。
「東葛市民後見人の会」
野田市在住Kさん


新清掃工場建設の動き
 9月議会後の動きとして、中里上自治会と「白紙撤回」を前提として話し合いを持つ方向で日程調整が行われ、1月15日に中里上自治会との話し合いが実施されました。その中で、中里工業団地の新清掃工場建設予定地が「白紙」となりました。今後も、候補地の選定を含め情報を公開しながら市民の声を反映できるように働きかけていきます。






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