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No.94 2009年8月 1面
旧市営鶴奉団地の土地
土地の有効活用もせず 企業がお得?

 旧市営鶴奉団地は、S42年度から約40年間市営住宅として市民に利用されてきました。しかし老朽化がすすんだために、H17年度に閉鎖され、その後ずっと空家状態の廃墟となり、強風の時にはトタン板が飛んでくるので、市民から危ないと苦情が出ていました。
 この鶴奉団地は、建て替えの予定がありましたが、17年度と18年度に建て替えの代わりに築40年の川崎重工の社宅を市長の恣意的判断の元に買い取りました。市民ネットワークでは「バリアフリーにも限界があり、市民のためよりも、企業サイドに立った買い取りだったのではないか」と指摘してきました。
 今回、市が鑑定士に依頼をした土地(約7200平方メートル)の更地価格は1億797万円。解体費用は5800万円でした。更地価格から解体費用を引いた4997万円を最低価格として18年から3年間3回の一般競争入札をしましたが、不調に終わり、今回随意契約として小張病院の医師、看護師の住宅及び寮になることになりました。
 これまで市長は、解体費用は、市が発注すると高いので建物付きで売ると言っていましたが、委員会の審議では、市が鑑定士に出させた価格を差し引いた額になっています。なぜ解体費用を差し引かなければならなかったのか、土地の鑑定評価や解体費用の見積書の提示もなく、本当に適正価格であるのかが不透明でした。企業にとって有利な価格で売ってしまったのです。しかも、売却価格の5千万円をどのような使い道にするのか示しませんでした。
 市営住宅の需要が高まっているのですから、たとえば民間住宅を借り上げ市営住宅として活用する費用に充てることもできるはずです。本来、市民の財産である土地をどのように活用していくのか、計画性をもって有効に活かしていくべきでした。
(岡田さわこ)


重度障がい者通所施設あおい空
最低限の対応もしないで 指定管理者へ丸投げか

 この施設は、H13年に故茂木克巳さんからの多額の寄付を受け、18歳以上の重度の身体障がい、知的障がい、あるいはその両方の重度の重複した障がいを持った人たちが、養護学校卒業後の社会性を体験できる場として利用していました。
 市直営の施設として入浴や食事のサービス、心身機能に応じた訓練や指導、娯楽やレクリエーションを行ってきましたが、当初から職員が少なく、ここ何年かは真夏でも入浴は週1回しかありません。また、今では常識となっている同性介護も行われていないため、保護者から改善要望がでていました。
 市は、このような保護者の不満は、保護者自らが施設を運営する事で解決し、さらに社会福祉法人みどり会から半年間支援員1人が出向くことで、体制支援ができると説明していました。しかし入浴サービスや開所日数の拡大などは、運営が安定してからの実施であること、また同性介護も難しいことがわかりました。
 市民ネットワークでは、「保護者の思いがあっても、経費削減を目的とした指定管理者制度では、利用者が満足できる運営を継続していくのは専門性が重視される施設のため難しい。本来は市が問題のない形にしてから、保護者に任せるべきだ」と不慣れな保護者に丸投げするような、福祉を軽視した姿勢に反対しました。
(中井洋子)





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