市民ネットワーク 6月議会レポート

中井 洋子
市民参加と説明責任のない
野田市総合計画

 市の長期計画の骨格となる総合計画には、多くの市民意見が反映されなければなりません。しかし野田市の後期計画素案づくりは、12年前の前期計画策定時と全く同じ意見集約の方法で、地区別懇談会でも、相変わらず意見交換がありません。

 多くの自治体では市民意見を反映させる様々な手法を取り入れています。平塚市ではシンポジウムやパブリックコメントで十分情報を公開し、公募市民やワークショップで計画作りをします。なぜ積極的市民参加の方法をとらなかったのかとの質問に、市長は「形式的でない市民参加を行った」と答えましたが、平塚市のような徹底した市民参加のどこが形式的なのか答弁はありません。
 また、市の前期計画の進み具合や財政状況の説明もなく「市民への情報不足、説明責任に欠けている」という質問にも「概要版ではすべてを書くスペースがない」と答弁。松戸市では前期総合計画の税制的見直しを表すため、一般財源の歳入・歳出別に内訳の数字をいれ、推計学や構成比を年度ごとに市民に示すことで、行政の説明責任と市民意見の反映を図っています。
 相変わらず透明性のない計画や独断的な市民参加論を押し通す市長の発言は、市民協働を謳う市の方向に逆行するものです。


市の側溝汚泥 不法投棄問題
 4月19日朝日新聞に報道されたこの事件は、野田市が39年間も産業廃棄物と認識せずに、側溝汚泥を市の土地とはいえ水田地帯に不法投棄し続け、市民から指摘され発覚した不祥事でした。

 汚泥の水分を抜く狩り置き場とするなら、本来は掲示板や排水溝などの地下水への汚染防止策が必要でした。06年に130m3を搬出した産廃の許可業者である木名瀬商事からも、不適切という指摘がなかったのかと不信に感じます。また、それ以前はここで水分を抜いた後、城宿地域に積み上げて置くというずさんな処理をしていたことも市長答弁から判りました。
 市長は「土木サイドは確認を怠り、環境サイドは真剣な目がなかったことが原因だった」と謝罪しましたが、昨年には県から不適切な処理に対しての指導が市にあったにも関わらず見直さなかったのは、処理費用を抑えるためだったのではないでしょうか。野田市の汚染物質に対する認識の甘さが根底にあります。


特別支援教育
介助員を増やし ともに学ぶ教育を!

 就学時に障がいのある子どもをどこで、どのように学ばせるのかを決めていくのが「就学指導委員会」ですが、埼玉県東松山市では差別的だったとしてこの委員会を廃止。これからは希望する学校や、学級に入学できると注目されています。現在も34名の介助員が養護学級(特別支援学級)小・中学校16校に配置され、重度の子どもたちが普通学級に学ぶ支援をし、更に増員予定だそうです。
 この取り組みに比べ、野田市では普通教室での介助員の支援を受けながら学んだという事例がほとんどなく、養護学校の介助員数も31校で20名しかいません。
 しかし今年度から介助員手当てとして地方交付税が、野田市に約2600万円入り今後も増額予定です。文部科学省は軽度発達障がいの子どもを含めた特別支援教育を、分け隔てなく受け入れる共生の教育としています。市教育委員会に「当事者の意見を充分尊重して、この予算で普通教室でも安心して共に学べる障児童教育の充実を」と重ねて答弁を求めましたが、なぜか明確な答えがありませんでした。今後予算が特別支援教育に適正に使われるように働きかけていきます。


図書館・コミュニティ会館
指定管理者導入のその後

 情報公開によって入手した丸善の事業計画には、当初の野田市の募集要項に入っていない北コミュニティ会館の「談話コーナー」の運営がありました
 丸善側から提案され、漫画喫茶やインターネットカフェなどの運営を実施していく方向という答弁ですが、計画性のない安易なやり方です。地域住民の利便性を第一に、意見を聞きながら進めるべきではないでしょうか。




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