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指定管理者制度で住民サービスは向上する?
〜不備だらけの野田市の制度〜

 市の施設の管理は公平性を保つため、これまで市の直営か公共的団体などに限られていたが、規制緩和「官から民への」流れの中、株式会社やNPOなども自治体の指定を受け管理運営を代行できることになった。
 各自治体は来年9月までに公共施設を直営か指定管理者に任せるかの選択を迫られ導入に動き始めた。官の独占する部門に企業などの参入を認める「指定管理者制度」は、経費の削減と住民サービスの向上を建前としている。
 野田市では関宿図書館、保育所、老人福祉施設(楽寿園)斎場などの7施設を指定管理者に任せる方針を打ち出したが、市民ネットワークは野田市の制度の不備を指摘し反対した。@図書館や福祉施設など人のサービス(ソフト面)が重要な部門の施設を最初のターゲットにした事。とくに図書館は全国的にも例が少なく蓄積と信用ある業者がいるとはいえず拙速だ。多くの自治体では公園やコミニュティセンターなどハコモノ管理の部門を指定管理者にという無難な動きをしている。A明確な指定管理制度の判断基準(ガイドライン)を作らず、現在民間委託しているのを自動的に横滑りさせただけである。すでに委託で経費はぎりぎりまで詰めているので削減効果は見込めないと職員も明らかにしているメリットすらない制度を強行するだけで住民サービスは置き去りになる。B業者指定については市長や議員が関与する事への歯止めの仕組みがない。(兼業禁止はない)など、民間委託に比べても議会からの監視も出来ず、情報公開の対象にもならず、利潤だけ追求する業者任せになる恐れが強い指定管理者制度である。 現在の野田市の対応ではビジネスチャンスと考える業者のための制度になりかねず、12月議会でも業者指定について更に討議を重ねていきます。

梅郷駅の完成予定 延期(08年3月に)

・梅郷駅の自由通路(東口と西口を結ぶ通路)の工事実施の協定書を市と東武鉄道が交わし、2年延期の08年3月予定となった。以前から計画していたものだが、梅郷駅利用の住民より、七光台開発業者の都合を優先させて急に浮上した七光台駅自由通路の方を1年先に完成させることになった。6億5千万円全額市負担である。
・新駅舎整備7億円のうち
  市負担分 6億3,900万円
  県      1,100万円
  東武鉄道   5,000万円
 これも殆ど市負担である。管理はどうするのか検討中ということだ。

・東口の駅前広場は、自由通路完成(06年末)に併せて予定しているが、予定地の民間駐車場の地権者問題が進展せず予断を許さない状況であるという。
七光台駅完成予定
(07年3月)
・自由通路
 5億4,700万円のうち
  市負担  2億6,000万円
  組合負担 2億8,700万円


千葉地方議員・九条の会ネット講演会
日本国憲法の論点
〜憲法は国家に対する歯止めである〜

 9月の衆議院選挙では郵政民営化の前ですっかりかすんでしまった観のある改憲問題。しかし与党の議席が三分の二を超え10月28日には自民党の新憲法草案が発表され事態は着々と進行している。
 県内の超党派が集まっている「千葉地方議員・九条の会ネット」は、司法試験界での「カリスマ講師」として名高い伊藤真さんを招き、自民党案の問題点を確認しあった。弁護士から転身した伊藤さんは、司法試験の講師や憲法を正しく理解した法律家を育てる伊藤塾の塾長として異色の経歴を持つ。明快な語り口と歯切れのよいテンポで自民党案の危うさを指摘していった。

――伊藤真さんの話より──

 自民党の草案は、今の憲法の根本的価値を否定したものに等しいが、平時に憲法改正をした国はない。改正案には国民が果たすべき義務が書き加えられているが、そもそも憲法を守る義務があるのは国民ではなく、憲法は国家権力を制限して国民の人権を保障するものである。国民の自由を制限して社会の秩序を維持する法律とは大きく違う。教科書では習わなかった「近代憲法」の大原則――常識を明確に示してくれた。
 「憲法は変えた方がいい」「改正だ」という前に憲法について正しく理解しているのか改めて考えさせられた。 
 憲法の始まりは、イギリスのマグナカルタとされているが、それは国王の権力を制限するためのものであった。その後の啓蒙思想家によって一人ひとりの個人の人権を国家から守るのが大切という思想的流れのもとに、アメリカ、フランス、ドイツ、日本の憲法がある。長い歴史の積み重ねによって個人の尊重を史上価値とする憲法を獲得できたのである。
 ところが改正案では個人の尊重が最高価値ではなく、国家とつながる公益や公の秩序、国民の義務や責任が強調されている。また、9条の2では「陸海空軍の戦力保持」と「交戦権の否認」を削除し、代わりに自衛軍を保持すると明記している。これでより安心で安全な社会となるのか?より緊張を強いられ不安な社会になるのか。それは後者であろう。このような内容を理解しないまま国民投票によって改正を行えばこれからの時代に大きな危機感が生まれることは確かだ。
 「その時々の多数意見に流されがちになってはならない価値を明文化したのが憲法」であることをもっと理解しなくてはならない。