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05年度 野田市一般会計予算415億1100万円

意義あり! てんこ盛りハード事業

 市税は法人市民税、個人市民税(配偶者特別控除上乗せ分の廃止)あわせて前年比3.7%増、85億5千万円を見込めるものの当てにしている地方交付税は12.3%減の大幅削減となり厳しい歳入状況である。多くの自治体がハコモノなどのハード事業からソフトへ転換を図っているが、野田市では莫大な費用がかかるハード事業てんこ盛りのため、財政のやりくりに終始し将来負担を増加させる借金依存の財政構造となっている。05年度の地方債残高は424億3500万円と合併前より22%も膨らんできている。

市債(借金)の状況

年度 市債残高 1人当り 1世帯当り
02年度 262億 21.8千 60.7千
03年度 374億 24.8千 69.4千
04年度 417億 27.5千 76.1千
05年度 424億 27.9千 77.4千
企業救済、市民置き去り

 時代にそぐわない超豪華な関宿総合体育館21億円、開発に合わせて急ぎ盛り込んだ七光台東西通路や清水公園東西通路設置は6億円も税負担して一気に実施する優先事業ではない。開発業者のための駅周辺整備を無理な財政計画で進めている。また、市営住宅建て替え計画を突如中止し、旧川崎重工業社宅の跡地を5億6千万円(坪20万円)の高値で、地区40年の老朽化した社宅を2億4千万円で購入。企業にすり寄ったとしか思えないような買い物である。市内の開発計画が失敗し東武鉄道や大日本土木が放り出したい土地を買い取ったのも企業の言いなりだ。東武鉄道の船形の土地は面積も明らかにせず必要以上の広大な形状の悪い土地、3万8000uを5800万円で購入。また大日本土木の江川地区の土地は全部買い取ると1億7千万円もかかる。厳しい財政状況の中で、このように無計画な土地購入ありきがまかりとおっているのは納得できない。
 一方、優先すべき学校の耐震工事は計画上にあったものも財政難を言い訳に先送りし、2千万弱でできる耐震診断費用すら予算化しなかった。関東直下型地震に備えて5年以内に整備するよう国は求めているが、耐震化ができているのは30校中3校だけしかない。


少子高齢社会に対応せず

 野田市は、統括で一番少子高齢化が進んでいるが、企業救済やハード事業優先のため児童、高齢者、障害者福祉へのしわ寄せは大きく予算も殆ど削減されている。年間110名も独居老人が増えるについても対応策も持たず扶助費は5%カットしており福祉レベルの底上げにはほど遠い。子育て支援策についても病児、病後児保育事業や家庭等日常生活支援事業費など全て削減。幼稚園児奨励金も他市より格段に低く、子育てしやすい環境とはいえない。身体障害者居宅支援事業は23%も削減、身体障害者福祉手当や服したタクシー利用者助成金もカットしており弱者切り捨ての傾向が強い予算編成である。

365日・24時間の介護で
自分らしく在宅生活

 介護が必要になっても今までの暮らしを変えずに友達や近所の人と行き来しながら、地域社会で生活したい。施設にいるのと同様に365日・24時間のサービスを在宅でも受けたい。新潟県長岡市では人口1万〜2万人に1ヶ所ずつの計画で、地域の包括サービスセンターがスタートしている。
 まるでイタリアンレストランのようなおしゃれな外観の建物は20人の集合住宅で、その地域で暮らしてきた人たちが月額2万9千円で入居している(食費介護費用別)。また周辺地域に24時間対応の訪問介護や看護、デイサービスや1日3色の配食サービスを提供し、小規模多機能サービスとして「住宅」と「自立支援」を支えている。
 構造改革特区でこの構想を進めてきた特別養護老人ホーム「こぶし園」の小山さんは「このようなミニ特養が各地に出来れば施設そのものの必要性がなくなる。費用も改装費のみで5千万円で済む」ということだった。
 人生の最後をどう過ごしたいのか、今、真剣に取り組んでいる地域と、国の指示待ち後追いの福祉を仕方なくやっている野田市との格差はますます広がるばかりだ・・・。